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尖晶石ノート

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2025/09/15|カテゴリー Comment↑このページのTopへ

2006/12/02 タスマニア 6/18

1/18へもどる



018_0612021312_0498.jpg
098.
ケシ  Oilseed poppy
Papaver somniferum  ケシ科ケシ属
原産地不明

オーストラリア国内でもタスマニア州のみでケシが生産されています。
実は世界で合法的に生産されるアヘンの約40%がタスマニア産なんだそうです。
これはインドに次いで第2位です。
ところが、アヘン生産量の大部分は非合法によるもので、
実際にはアフガニスタン産が90%を占めているといわれてます。

ケシ畑は所々で見かけました。
走っている車の中からの撮影ですが、
車を停めてうろうろしていると監視員に咎められるそうです。



001_0512021422_0502.jpg
099.

タスマニア島中北部、モール・クリーク・カースト国立公園 Mole Creek Karst National Park にあるマラクーパ洞窟 Marakoopa Cave のパーキングの脇に鎮座していました。
1m位の大きさがあります。
事前にこの場所をネットで調べていたときにこれの写真を見たのですが、こんなでかい巻貝がいたのかな?と困惑しました。
現生の巻貝で最大のものはアラフラオオニシ(Google)というもので、75cmほどに育ちます。
しかし、形がまったく違います。
かつて他にもこんな巨大な貝がいたのでしょうか?調べてみてもよくわかりません。
特徴だけ見るとヘリトリガイの仲間(Google)に似ているような気がします。
しかし、この仲間はせいぜい数センチ程度にしかなりません。

さて、実際に実物の前に立ってわかったことなんですが、
この『物体』の横には、「The Fossil Helmut Schwabe」と書かれた札が立っていました。
説明文を読むと、どうやら公園内の石灰岩を使って造った彫刻らしく、
「これを見たら何億年のこの島の歴史に思いを馳せるだろう」みたいな解説があります。
あとで調べたところ、ヘルムート・シュワーブはタスマニア在住の芸術家だそうです。

2008/03/06追記
化石で残る最大の巻貝は、カンパニレ・ギガンテウム Campanile giganteum という エンマノツノガイの仲間で、60cmほどになるそうです(Google)。




002_0512021424_5254.jpg
100.

表面をよくよく眺めていると、サンゴの化石の断面がありました。
しかし、殻の質感やたがねの跡など実にリアルに再現しています。
最後まで騙されて帰る人も少なくないんじゃないでしょうか。



003_0612021420_0501.jpg
101.
オレアリア・リラタ  Snowy Daisy-bush 
Olearia lirata  キク科キク亜科シオン連 
オーストラリア南東部、タスマニア  5m

見上げるような高さの植物です。
オレアリア属は木本性のキクです。
オーストラリア、ニュージーランド、ニューギニアに130種ほど分布します。



004_0512021428_0504.jpg

005_0612021428_5256.jpg
102. 103.
クレマチス・アリスタタ  Native Clematis, Old Man's Beard 
Clematis aristata  キンポウゲ科センニンソウ属 
オーストラリア南東部に広く  10m

センニンソウの仲間で、センニンソウよりも大きな花を咲かせます。


 
006_0612020852_5220.jpg

007_0612021436_5261.jpg
104. 105.
ビオラ・ヘデラケア・クルティシアエ  Curtis' violet, Mountain ivyleaf violet
Viola hederacea ssp. curtisiae  スミレ科 
タスマニアの山地

オーストラリアはスミレ属の種類が少ないです。
解説は3 056.で。



008_0612021444_051202.jpg

009_0512021440_5265.jpg
106. 107.
ピメレア・ドルパケア  Cherry Rice-flower 
Pimelea drupacea  ジンチョウゲ科 
タスマニアと、ビクトリア州の一部  1-1.5m



010_0612021435_5260.jpg
108.
アツバジョウゴゴケ  Pixie Cup Lichen, Cup Moss 
Cladonia pyxidata  ハナゴケ科ハナゴケ属 
世界中の湿潤な地域 オーストラリア南東部、タスマニア

平地は乾燥していますが森林内は比較的湿度が保たれていて、いろいろなコケや地衣類が観察できます。
参照:2004/03/13 箱根



011_0612021449_051302.jpg
109.
リクウズムシの仲間  Canary worm 
Fletchamia sugdeni (Geoplana sugdeni)
扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目コウガイビル亜目ゲオプラナ科 Geoplanidae

15cm以上あったでしょうか。鮮やかな黄色のぬめぬめした生き物です。
コウガイビル(Google)という陸棲のプラナリアの仲間(Land Planarian, Terrestrial flat worm)に印象が似ています。
ただし、コウガイビルの頭部はいかり型なのに対し、本種の頭部は赤く尖っています。
ミミズやカタツムリ、ナメクジなどを襲って食べるそうです。



014_0612021506_0517.jpg
110.

洞窟内は鍾乳洞になっています。
常に一定方向に空気が動いているらしく、鍾乳石が垂直ではなく斜め下に成長しています。



012_06120215211527_0524.jpg
111. 

数メートルもあるのですが、
画像からはなかなか迫力が伝わらないと思います。



  013_0612021541_053402.jpg
  112.

洞窟内にはレンジャーが伴わないと入れないことになっています。
中は照明が消されていて、見学者のいる場所だけ電気を点け、
移動したら消します。
こうしてできるだけ暗黒になる時間を保つように心がけられています。



016_0612021521_052302.jpg
113.
ハチノスサンゴの一種 
Favosites sp.  床板サンゴ亜綱 Tabulata ハチノスサンゴ科 Favositidae

100.のものも同じです。
名の通り、ハチの巣にそっくりな群体を造ります。
この画像のものはおそらく化石本体が風化して型(印象化石)だけが残っているのでしょう。
大きさは10cmほど。
床板サンゴ類は古生代に絶滅してしまった古いタイプのサンゴです。
この洞窟の地層はオルドビス紀(約5億年前)のものだそうです。

レンジャーが懐中電灯で照らしながら説明していました。
説明が一段落した隙に撮らせていただきました。



015_0612021558_053702.jpg
114.

この洞窟内には稀少なクモの一種  Tasmanian cave spider Hickmania troglodytesGoogle)と、
ヒカリキノコバエ (ツチボタル)の一種 Glow-worm Arachnocampa tasmaniensisGoogle) が生息しています。
どちらも光にはとても敏感なので、照明の時間を神経質に管理しているわけです。

洞窟内ではストロボ撮影が制限されていますが、
クモとグローワームにはカメラを向けることさえ許されていません。
許可があっても時間的空間的におそらく三脚を立てている余裕はないでしょう。

グローワームの仲間はタスマニアのほか、オーストラリア東部の極一部とニュージーランドにしか分布していません。
幼虫は天井に棲息して、粘り気の有る糸を下に垂らしています。
そしてお尻の部分を光らせて他の虫をおびき寄せ、糸に絡んだところを捕まえて食べます。
ちなみに、餌になるのは大部分がグローワームの成虫なんだそうです。

突然照明を消されて天井を見上げると、満天の青い星空になりました。
星と違うのは瞬かないことです。
幻想的で口に表せない美しい光景です。








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分類別> スミレ


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098.
D70s 
TAMRON AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro

099. 101. 102. 104. 106. 109. ~114.
D70s 
TAMRON SP AF 90mm F/2.8 Di

100. 103. 105. 107. 108.
PowerShot G6




投稿 2008/01/24
更新 2008/02/27
    2009/06/05 サムネサイズ
    2010/08/26 サムネサイズ




 

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2008/01/24|カテゴリー 海外Comment↑このページのTopへ

2006/12/02 タスマニア 7/18

1/18へもどる



001_0612021615_5300.jpg
115.
エリカモドキ  Wiry Bauera, River rose, Dog rose 
Bauera rubioides  クノニア(ユキノシタ)科エリカモドキ属 
オーストラリア南東部、タスマニア  3m

桃花のものもありますが、白い花しか見かけませんでした。
日本でも「バウエラ」もしくは「愛のかんざし」という名前で鉢物が流通しています。

豪名がたくさんあって定まっていないようです。
カナダのときもそうでしたが、オーストラリアでも日本のように植物の標準名を定める習慣がないようで、
図鑑を見てもネットで調べてもCommon nameがまちまちなことが多いです。
今回もできるだけタスマニアでの呼称を表記するように心がけています。



002_0612021616_5303.jpg
116.
メラレウカ・スクアメア  Swamp honeymyrtle 
Melaleuca squamea  フトモモ科 
オーストラリア南東部、タスマニア  2m 



003_0612021617_0539.jpg
117.
ボッシアエア・コルディゲラ  Wiry Bossiaea 
Bossiaea cordigera マメ科マメ亜科ボッシアエア連 Bossiaeeae 
タスマニア、ビクトリア州 匍匐性木本

すごくオーストラリアらしいマメだと思います。
特に西オーストラリアに行くとこのような配色のマメの木ばかりが目立ちます(Google)。



003_0612021420_0501.jpg
118.
パテルソニア・フラギリス  Short purple-flag 
Patersonia fragilis  アヤメ科ニベニア亜科 Nivenioideae 
オーストラリア南東部に広く  花茎10-20cm 非球根性

パテルソニアは一日花で、午後にはしおれてしまっているのでこの時間は開いているところが見られません。
西オーストラリアで見たパテルソニアは数十センチの高さがありましたが、
この種類は地際近くに花を咲かせるようです。

この4枚は山にさしかかった道路脇で撮りました。



005_0612021625_054103.jpg
119.
ハリモグラ  Echidna 
Tachyglossus aculeatus  単孔目ハリモグラ科 
オーストラリア全域

道路脇の土手を登っているところに出くわしました。
車を停めて降りられる場所ではないので一時停車して窓から撮りました。
この時間(午後4時過ぎ)は彼らが活発に活動する時間らしく、
結構な数の姿を見かけました。
無理に停めてもらわなくてもこれなら後でたくさん見られるだろうなんてたかをくくっていたら予想は大はずれで、
この後見かけることはありませんでした。
ちょっと(いやかなり)心残りです。
この動物については>2 032.

 

  006_0612021652_0544.jpg 

007_0612021654_054702.jpg
120. 121.
スティリディウム・グラミニフォリウム  Grass-leaf triggerplant 
Stylidium graminifolium  スティリディウム科 
オーストラリア東部から南東部に広く  50cm

オーストラリアではおなじみの面白植物トリガープランツです。
別の道端で撮りました。
詳しい解説は2005/05/15 キュ-植物園で。



008_0612021726_0548.jpg
122.
アカクビワラビー  Bennett's wallaby, Red-necked Wallaby 
Macropus rufogriseus  カンガルー目カンガルー科 
オーストラリア東部、タスマニア

タスマニアの名所の一つ、クレイドル山・セントクレア湖国立公園 Cradle Mt - Lake St Clair National Park に着きました。
ここは、世界遺産「タスマニア原生地域 Tasmanian Wilderness」の一部です(モールクリークカーストNPも含まれています)。
ユネスコWikipedia、)

ワラビーが出迎えてくれました。



009_0612021758_0549.jpg
123.
サルオガセの仲間  Beard lichen 
Usnea sp.  サルオガセ科サルオガセ属 
世界中の湿潤な地域 オーストラリア南東部、タスマニア

乾燥しがちな島の東側に対して、西側の山岳地帯は降水量が多く湿潤です。
霧が好きな木の枝に着生する地衣類サルオガセが目立ち始めました。

ホテルにチェックインした後、日没までにまだ間があったので散策に。



010_0612021802_532303.jpg
124.
ラヌンクルス・コリヌス  Strawberry buttercup, Mountain buttercup 
Ranunculus collinus  キンポウゲ科キンポウゲ亜科キンポウゲ属 
オーストラリア南東部の亜高山  3-22cm



011_0612021809_0553.jpg
125.
ベロニカ・グラキリス  Slender speedwell 
Veronica gracilis  ゴマノハグサ科クワガタソウ連クワガタソウ属 
オーストラリア南東部、タスマニア  10cm



012_0612021810_0554.jpg
126. 
ピットスポルム・ビコロール  Cheesewood 
Pittosporum bicolor  トベラ科トベラ属 
オーストラリア南東部、タスマニア、高地  8m

いい匂いがするらしいですが夕方(6時頃)だったせいかよくわかりませんでした。



013_0612021838_056403.jpg

  014_0612021839_056702.jpg
  127. 128.
タスマニアン・ワラター  テロペア・トルンカタ  Tasmanian Waratah 
Telopea truncata  ヤマモガシ科 
タスマニア固有種 高地  4m

むしろ、こちらの方がタスマニアを象徴する花じゃないでしょうか。



015_0612021813_0555.jpg 

  016_0612021815s.jpg
  129. 130.
ヒベルティア・プロクンベンス  Spreading guinea-flower 
Hibbertia propcumbens  ビワモドキ科 
タスマニア、ビクトリア州、高地  匍匐性

少し開けたような場所でよく咲いていました。
ヒベルティアは西オーストラリアでも珍しくない植物ですが、
このように匍匐性にはならないです。



017_0612021836_056302.jpg
131.
キアトーデス・パルウィフォリア  Pink mountain berry, Mountain pinkberry 
Cyathodes parvifolia (Leptecophylla juniperina ssp. parvifolia)
エパクリス(ツツジ)科 
タスマニア固有種 高地  1m

この仲間はたくさんあって見分けが難しいのですが、
ピンク・マウンテンベリーは特に葉が短く、数ミリしかないのが特徴です。
実を摘まんでみましたがあまりおいしいものではありませんでした。



  018_0612021819_056202E_gunnii.jpg

019_0612021800_531902E_gunnii.jpg
132. 133.
エパクリス・グンニー  Gunn's heath 
Epacris gunnii  エパクリス(ツツジ)科 
オーストラリア南東部、タスマニア、高地  25-80cm

この仲間も種類が多く見分けが難しいのですが、
ガンズ・ヒースは葉が短いハート型で、茎に密につくのが特徴です。

上の方が切り取られてますね。



020_0612021816_055802.jpg

  021_0612021818_056102.jpg
  134. 135.
アカクビワラビー

犯人がいました。
エパクリスの枝先がお気に入りのようです。
この個体はまだ子供で、近くに親がいました。
ふつう、アカクビワラビーは122.のように褐色で、
このようなクリーム色の個体は珍しいそうです。



022_0612021809_532804.jpg
136.

林の中の様子です。
奥の方にホテルが見えてます。
ホテルはロッジタイプで意外と快適です。
風呂はありませんがシャワーがついています。







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分類別> アヤメ科


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117. 119. 120. 121.
D70s 
TAMRON AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro

122. 123. 125. 126. 127. 128. 129. 131. 132. 134. 135.
D70s 
TAMRON SP AF 90mm F/2.8 Di

115. 116. 118. 124. 133. 136.
PowerShot G6

130.
MZ-3
SIGMA AF 24mm F2.8 MACRO SUPER-WIDE II
SINBI100
SUPER COOLSCAN 5000 ED
2007/07 スキャン




投稿 2008/01/26
更新 2008/02/29
    2009/06/05 サムネサイズ
    2010/08/26 サムネサイズ




 

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2008/01/26|カテゴリー 海外Comment↑このページのTopへ

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