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尖晶石ノート

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2024/03/19|カテゴリー Comment↑このページのTopへ

2008/03/08 茅ヶ崎 2/2

1/2へもどる


ツバキ園から茅ヶ崎海岸まではすぐ近くです。


001_0803081028I_8224.jpg

002_0803081039D_5214.jpg
001. 002.

東を見ると遠く江ノ島が、さらにその先には三浦半島が霞んで見えます。



003_0803081050I_823002.jpg

004_0803081051D_521502.jpg
003. 004.

西には富士山。
これはツバキ園に行く前の午前中に撮ったものです。
早朝ならばもっときれいだったと思います。



005_0803081034I_822803.jpg

006_0803081234D_522602.jpg
005. 006.

沖に見える岩はサザンの歌で有名な烏帽子岩です。
望遠で見ると岩の上には釣り人がびっしり。



007_0803081215D_522302.jpg
007.
フサアカシア  Acacia dealbata  ネムノキ科(マメ科)
オーストラリア南東部、タスマニア原産

現地では30mになるそうです。
公園などで見かけます。

茅ヶ崎公園にて



008_0803081413D_523502.jpg
008.
ギンヨウアカシア  Acacia baileyana  ネムノキ科(マメ科)
オーストラリア南部に広く分布  10m

庭先などに植えられているのをよく見かけます。
フサアカシアと間違いやすいですが、
こちらは葉が銀緑色で、葉(羽状複葉)が茎に輪状につきます。
フサアカシアの葉(羽状複葉)は大きく小葉の数が多いです。
茎に比較的水平につくので区別できます。

また、フサアカシアの樹形がきれいに整っているのに対して、
ギンヨウアカシアの枝ぶりは雑然として見えます。

住宅街にて




ここからはこの日拾った貝殻を帰ってから撮ったものです。
下に敷いた砂は茅ヶ崎海岸のものです。



一般に、桜貝として拾われるものには実は何種類かが含まれています。
代表的なものは4種類ですが、この日は偶然4種類とも拾えたので見分け方を書いてみたいと思います。



021_080401D_5364s.jpg
009.
カバザクラガイ  Nitidotellina iridella  ニッコウガイ科
房総以南~台湾 細砂底 潮干帯~30m  殻長2cm



022_080401D_5364m02.gif
010.
カバザクラガイ
画像のものは23mm

カバザクラがいちばん多く見かける種類です。
お土産物屋さんなどで小ビンに詰めて売られているのは大体これです。

色はうすいピンクやオレンジ(樺色)、白など様々です。
後端側に白いすじが放射状に走ります。
殻は非常に薄く、表面につやがあります。



023_080401D_5369m02.jpg
011.
サクラガイ  Nitidotellina hokkaidoensis  ニッコウガイ科
北海道~ニューカレドニア 細砂底 潮間帯~80m  殻長2cm



024_080401D_5370s2.gif
012.
サクラガイ
画像のものは22mm。

カバザクラと見分けるのは難しいです。
殻の色はピンクのほか、白い場合もあります。
オレンジにはなりません。
白いすじはうすいです。
やはり殻がうすいです。
表面には細かい輪肋(成長線)が目立ちます。
背縁(特に後ろ側)がやや角張っています。

湘南ではカバザクラよりも見かける機会は少ないです。



025_080401D_5375m.jpg
013.
モモノハナガイ (エドザクラガイ)  Moerella jedoensis  ニッコウガイ科
房総以南~中国 細砂底 潮間帯~20m  殻長2cm



026_080401D_5375s.gif
014.
モモノハナガイ
画像のものは11mm

後端がやや尖るのが特徴です。
色はピンクで、殻頂から放射状に白い帯が2本走ります。
上の2種に比べると殻が厚いです。

二枚貝の場合、水管を出す方が後、
足を出す方が前になります。
なんとなく逆なような気がしますが、
実際に体の構造を見ると、
口は足に近い方にあり、肛門は水管に近い側にあります。
水管自体は口ではなく、殻の中に水を出し入れするためだけの器官です。
サクラガイの仲間の場合、殻の尖った方から水管を出し、
丸まった方から足を出します。



027_080401D_5366.jpg
015.
オオモモノハナガイ  Macoma praetexta  ニッコウガイ科
北海道~台湾 細砂底 10~50m  殻長3cm
画像のものは24mm

上の3種に比べると一回り大きいです。
殻も比較的厚みがあり、透明感があまりありません。

ちなみに穴があいているのは、ツメタガイなどのタマガイ類に襲われた跡です。



今回はどれも片殻ばかりでしたが(白いカバザクラは両殻揃っていました)、
強い風の吹いた次の日などは運がよければ両殻揃ったものが拾えます。



028_080401D_5382.jpg

029_080401D_5383.jpg
016. 017.
ナミマガシワガイ  Anomia chinensis  ナミマガシワガイ科
北海道~中国南部 20m以内 岩場  殻長4cm
画像のものは殻高22mm(白い個体)

ホタテガイやカキに近い仲間です。
殻は薄く軽く、雲母のようにきらきらと光ってきれいです。
色は紅色、黄色、白など様々です。

打ち上がっているのが見つかるのはたいてい左殻です。
右殻は非常に薄く、大きな穴があいていてとてももろいです。

右殻を岩や他の貝などに密着させ、あいている穴から肉質の足糸を出して器物にくっついて生活しています。
足糸の反対側は左殻の内側(右の画像の白っぽい部分)にしっかり固定されています。
貝柱は足糸の脇に2本あって、左殻と右殻をつないでいます。
おそらく、一度器物に固着すると一生移動することはないでしょう。
殻の形もその場所に合わせて成長するので様々です。



030_080401D_5378.jpg

031_080401D_5379.jpg
018. 019.
018. ホタルガイ  Olivella japonica  マクラガイ科
房総以南~九州 砂底 潮干帯~30m  2cm
画像のものは殻高14mm(白い個体)

019. ムシボタルガイ  Olivella fulgurata  マクラガイ科
房総以南~中国南部 砂底 潮干帯~30m  1cm
画像のものは殻高11mm(黒い個体)



 032_080401D_5378s.gif
 020.
ホタルガイ

とても小さな巻貝ですが、色や模様に変異があり、
表面がつやつやして結構きれいです。

ホタルガイの方が体層にふくらみがあり、ムシボタルはほっそりした印象です。
殻口もムシボタルの方が狭いです。

小さいながらも肉食で、他の小さな貝を襲って食べるそうです。



033_080401D_5408.jpg
021.
クチベニガイ  Solidicorbula erythrodon  クチベニガイ科
房総以南~中国 砂底 潮干帯~40m  2.5cm
画像のものは21mm(大きい方)

殻の内側が紅色を帯びてきれいな貝です。
殻はかなり厚みがあります。
茅ヶ崎海岸でもサクラガイやナミマガシワやホタルガイは拾える場所が限られるのですが、
クチベニガイは湘南海岸の広範囲で拾えます。



この他にも何種類か(30種余り)拾いました。
ねらい目は強い風が吹いた日の後です。
波で高いところまで打ち上げられています。
オンラインの潮位表などを確認して干潮を狙うのも重要です。
また、冬になると水温の低下で死んでしまう貝が結構多いです。
初冬から春先にかけては意外と貝殻を拾うにはいい季節だったりします。








カテゴリー: ビーチコーミング


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001. 003. 005.
PowerShot G6 + Kenko LD-07W

002. 004. 006. 007. 008.
D70s 
TAMRON AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro
PLフィルター使用

009. ~ 021.
D70s 
TAMRON SP AF 90mm F/2.8 Di




投稿 2008/04/10
更新 2009/02/25 サムネイルサイズ
    2009/03/25 カテゴリー変更
    2009/06/03 サムネサイズ
    2010/08/25 サムネサイズ




 

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2008/04/10|カテゴリー 海辺Comment↑このページのTopへ

2008/03/15 荒崎海岸

先週の茅ヶ崎海岸に続いて、神奈川県三浦半島にある荒崎海岸へ行ってきました。
かながわの景勝50選の一つに指定されています。

京急三崎口からバスで荒崎下車、海沿いの道を歩いてすぐです。
富士山の眺めがすばらしいとのことでしたが、あいにく見えませんでした。



001_080315D_5292.jpg
001.
弁天島

それなりに景勝地です。



002_080315D_5297.jpg
002.
弁天島

別方向から。



003_080315D_5285.jpg
003.

このような波が穿った洞穴がたくさんあります。
中には別の方向から掘り進んだ穴が途中で交差しているもの(十文字洞)まであります。
三浦半島では洞穴内で動物の骨を焼いて吉凶を占った弥生時代のト骨(ぼっこつ)が発見されています。



004_080315D_5304.jpg
004.
荒崎海岸

この季節だと人影も少なく静かですね。
岩場が広がっていて、磯遊びには楽しそうです。
貝殻もたくさん打ち上がっていますが、
波に擦れたものばかりです。
それでも、結構拾えました。



005_080315D_5305.jpg
005.

この建物を見て、ピンと来る人はいるでしょうか。
私はすぐに気がつきました。と同時にこんなところにあるとは思わなかったのでちょっと驚きました。

ここはテレビ朝日系のサスペンスドラマのロケで度々使われる別荘です。
最近は別の別荘を使っているのでここでロケは行われないそうです。



別荘の先にはお仙が鼻という岬があって、一端その脇の石段を上がります。
この後はソレイユの丘という公園で休憩。
ここは2005年に開園した多目的公園です。
太平洋戦争時の日本軍の空港を米軍が接収し、
その後国に返還された跡地を開発したものです。



006_080315D_5309.jpg
006.
長浜海岸

ソレイユの丘の南にある長浜海岸です。
荒崎海岸で時間を使いすぎてしまい、すでに日が傾きかけてしまいました。
こちらは比較的新鮮な貝殻が拾えます。
荒崎よりも小さくて軽い貝が多いようです。

この後は、和田バス停まで歩いて三崎口駅まで戻りました。



帰ってから改めて貝殻の写真を撮りました。
下に敷いた砂は荒崎海岸のものです。



007_I_8383sukasi.jpg
007.
スカシガイ  Macroschisma sinense  スカシガイ科
殻長22mm(右側の個体)



008_I_8386hirasukasi.jpg
008.
ヒラスカシガイ  Macroschisma dilatatum  スカシガイ科
殻長19mm(右側の個体)

オキナエビスやアワビの親戚で比較的原始的な巻貝です。
色や模様に変異があってきれいです。
背にあいた穴(頂孔)から呼吸します。
アワビの殻の穴も呼吸や排泄、生殖に用いる為にあいています。

スカシガイとヒラスカシガイの見分け方は、
スカシガイの方が頂孔が後寄り、ヒラスカシが中央寄り、
スカシガイの頂孔の後側は斜めに切れ込む。
スカシガイの頂孔の前側は狭まる。
等です。

実は貝殻よりも軟体部分の方がはるかに大きく、生きているときは小さな殻を頭に載せているような姿をしています(Google)。



009_I_8431hanatigusa.jpg
009.
ハナチグサガイ  Cantharidus callichroa  ニシキウズガイ科
殻高10mm(中央の個体)

小さいながらも華やかで美しい貝です。
模様に変化があり、殻の内側が銀緑色に輝きます。
海藻の上で暮らしていて、海藻が打ち上がっているようなところを探すとたくさん落ちていました。



010_I_8433sazae.jpg
010.
サザエ幼貝  Turbo (Batillus) cornutus  リュウテンサザエ科
殻高18mm

小さいうちは刺がありません。
成長するにつれて深い場所へ移動するようですが、小さいうちは浅い磯にいるそうです。

属名の後の括弧内は亜属名です。
貝類の学名表示独特のルールのようです。



011_I_8452mimizu.jpg
011.
ミミズガイ  Siliquaria cumingi  ミミズガイ科
殻高18mm(右側の個体)

巻きがほどけてしまったなんともおかしな巻貝です。
群でカイメンの中にもぐりこんで生活しています。



012_I_8454suzume.jpg
012.
スズメガイ  Pilosabia trigona  スズメガイ科
殻長17mm(左側の個体)

カサガイの仲間のように見えますが、どちらかというとクマサカガイマガキガイに比較的近いグループです。



014_D_539402.jpg

015_D_5395.jpg
013. 014. 
メダカラガイ  Cypraea (Purpuradusta) gracilis  タカラガイ科
殻高16mm(右側の個体)



016_D_5406.jpg
015.
メダカラガイ幼貝
殻高10mm(左側の個体)

タカラガイのうち最も北まで分布するものです。
相模湾で最も多いタカラガイで、湘南でもよく打ち上げられています。
しかし、湘南ではつやの残ったものはなかなか拾えません。
三浦半島ではざくざく落ちていました。

側面に斑点が並ぶのが特徴です。
背面の模様が目玉模様を思わせるところからついた和名ですが、
目玉模様にならないものも多いです。

タカラガイ類の幼貝は殻口が広く、成貝とは印象がかなり違いますね。



013_I_8469kiirodakara.jpg
016.
キイロダカラ  Cypraea (Erosaria) moneta  タカラガイ科
殻高21mm

メダカラ同様個体数の多いタカラガイですが、
やや南方系のため、相模湾ではそれほど多くありません。

相模湾のものは色が薄くて丸みがありますが、
南方のものは黄色みが強く、角張っています。

タカラガイは紀元前の中国で貨幣として使われていましたが、
特にキイロダカラが多用されました。
背面に刻みをいれた様子から漢字の貝の字ができました。
お金に関する漢字に貝の部首がつくのはこの名残ですね。

種小名の"moneta"はラテン語で金銭という意味があります。
ローマ時代に忠告の女神Juno Monetaを祭る神殿に造幣所があったことが由来だそうです。
その後英語の"money"という単語が派生しました。



017_I_8471tatunami.jpg
017. 
タツナミガイ  Dolabella auricularia  アメフラシ科
殻高40mm

アメフラシの仲間です。
打ち上げられた死骸から剥ぎ取ってきました。
殻の形が荒波を思わせるのでついた和名です。

ナツメガイにも近い仲間ですが、タツナミガイの殻はさらに退化して体に半ば埋もれてしまっています。
さらに進化が進むと、ウミウシのように完全に殻が失われてしまいます。



018_I_8472hibari.jpg

025_I_8476.jpg
018. 019.
ヒバリガイ  Modiolus nipponicus  イガイ科
殻長21mm(殻皮のある方)

019は殻皮が剥がれたものです。

鳥の名前がついた貝が多いですね。



019_I_8479kujaku.jpg

020_I_8483.jpg

021_I_8485kujaku.jpg
020. 021. 022.
ミノクジャクガイ  Septifer bilocularis pilosus  イガイ科
殻長27mm(殻皮のある方)

クジャクガイのうち、日本に分布する殻皮に毛が多い型です。
022は殻皮がはがれかかったものですが、緑やオレンジや青などカラフルできれいな貝です。
殻の内側が青味がかっているのが特徴です。

ssp.やvar.やf.を省略するのは動物の学名表記では当たり前になっています。



022_I_8490akoya.jpg

023_I_8492akoya.jpg
023. 024.
アコヤガイ  Pinctada fucata martensii (Pinctada martensii)  ウグイスガイ科
殻長32mm

ご存知、真珠を採るために養殖される貝です。
野生では岩に付着して生活しています。
よくよく見るとウグイスガイと共通の特徴がありますね。



024I_8506.jpg
025.
ヤエウメガイ (ヤエウメノハナガイ) Phlyctidera japonicum  フタバシラガイ科
殻長12mm

泥岩に自分で穴を穿って潜んでいます。
梅の花びらってこんな感じですよね。

サクラガイモモノハナガイ、その他にもウメノハナガイ、スモモノハナガイ、フジノハナガイ、ナデシコガイ、ユキヤナギガイなんてのもあります。
日本産ではありませんがリンゴノハナガイ、バラノハナガイというのもあります。



今回はなんやかやで60種余り拾えました。
標本になりそうな新鮮なものはほんの一部ですが。






カテゴリー: ビーチコーミング


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001. ~ 006. 013. ~ 015.
D70s 
Tokina AT-X 107 DX FishEye 10-17mm F3.5-4.5

007. ~ 012. 016. ~ 025.
PowerShot G6




投稿 2008/04/19
更新 2009/02/25 サムネイルサイズ変更
    2009/03/25 カテゴリー変更
    2009/06/03 サムネサイズ
    2010/08/25 サムネサイズ
    2010/11/23 リンク追加




 

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