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1/2へもどる014.
キンラン
Cephalanthera falcata ラン科サカネラン連
平地や低山の明るい雑木林や松林を好みます。
一昔前までは郊外の雑木林でも普通に見られるものでした。
しかし、雑木林が放置されてササに覆われたり、
逆に人の手が入って低・中木層が払われたりするといつの間にか姿を消しやすいです。
015.
キンラン
この日はGWにしては涼しく、花があまり開いていませんでした。
開くとオレンジ色の唇弁が姿を現します。
016.
ギンラン
Cephalanthera erecta ラン科サカネラン連
キンランよりも全体に小型です。
丘陵では見かけますが平地ではあまり見ません。
元々はそれほど珍しいものではなかったのですが・・・
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ギンラン
018.
ギンラン
019.
ササバギンラン
Cephalanthera longibracteata ラン科サカネラン連
ギンランによく似ていますが、より大型で、キンランよりも葉が長く先が尖ります。
花は細長く、下の方の苞葉が花よりも長く伸びるのが特徴です。
神奈川県下や多摩丘陵ではギンランよりも見かける機会が少ないです。
020.
シロバナキンラン
Cephalanthera falcata f.
albescens ラン科サカネラン連
これまでキンランはたくさん見てきましたが初めて見ました。
花がギンランよりも大きく黄白色です。
ご存知のようにランの仲間は根に糸状菌(カビやキノコのこと)を共生させて栄養を補っていますが、
キンランの仲間はこの菌根への依存度が高く、また、菌自体も生きた森林に依存しているため、栽培が極めて困難とされます。
菌根が健全に機能する環境を再現することが難しいのです。
大抵は3・4年と持たずにやせ細って消えてしまいます。
栽培して手元で咲かせてみたいという気持ちはわかりますが、掘り取って持ち帰るのはお勧めしません。何年か前に野生ランのブームがあり、
野生ランに関する図書が何冊も出版されたり、
新聞に連載記事が載せられたり雑誌で多く取り上げられたことがありました。
その頃から多くの野生ランが急速に姿を消しました。
愛好家によって掘り取られる場合も多いですが、それ以上に業者の盗掘による被害が甚大です。
業者は一株残さずそこにあるだけ盗ってしまうからです。
さらに宅地開発や道路建設、緑地の公園化、ゴルフ場造成などが追い討ちをかけて現在では悲惨な状態です。
三種とも絶滅危惧種(I類またはII類)に指定されています。
植物レッドデータブックCOMPLETE>
キンラン、
ギンラン、
ササバギンラン撮影後、「末永くお幸せに」と言い残してその場をたち去りました。
021.
4月の中ごろからヤマビルの被害が出ていることをニュースで目にしていました。
元々は山の薄暗い湿った場所に生息していますが、年々人里の公園などでも被害が増加しているそうです。
原因として考えられるのは、
1.山で食べ物が足りなくなったニホンジカやイノシシなどの動物が人里に出てきてヒルを一緒に連れてきてしまう。
2.開発でヒルの生息域に住宅地が入り込んでいる。
3.ハイカーが下山後ふもとでヒルを払い落としたり、気がつかない内に満腹になったヒルが剥がれ落ちている。
などが考えられます。
個人ができる対策としては、
やぶにできるだけ入らない。
薄暗い湿った山道であまり立ち止まらない。
お弁当は日当たりと風通しのいい場所で食べる。
虫除けスプレーを使う。
ズボンのすそを厚手の靴下に入れる。
ストッキングやタイツをはく。
などです。
噛まれてしまったときは引っぱらずにタバコの火など近づける、
虫除けスプレーやかゆみ止め、筋肉痛止め、塩をかけるなどして自分から離れさせます。
傷口を指で摘まんで血を絞り、水で洗ってから傷薬を塗って絆創膏を貼るなどして対処します。
ヒルは噛むときに麻酔物質や血を固まらせない物質を注入するので血を吸われていることに気がつかない場合が多いそうです。
血を吸ったヤマビルは卵を産みますので放置せずに確実に殺してください。
踏み潰す程度では死なずに再生してしまうそうです。
022.
コゴメウツギ
Stephanandra incisa バラ科
やぶが密で、山歩きをしていると邪魔な木です(苦笑
023.
セダカコガシラアブ
Philopota nigroaenea ハエ目(双翅目)コガシラアブ科
コゴメウツギの花に群がっていました。
背が張り出して横から見ると「へ」の字型です。
頭部はほとんどが複眼に覆われています。
画像ではよくわかりませんが、長い口吻があって、それで花の蜜を吸います。
024.
025.
住宅街をしばらく下ると
若宮公園(
Wikipedia)があります。
広々とした市民公園で、小さなお子さんを連れた若い夫婦で溢れていました。
森の里は谷一つを切り開いて作られた新興住宅地で、工場や大学などが誘致されています。
2003年までは青山学院大学がありましたが現在は移転して跡地は日産の研究施設になっています。
026.
ブタナ (タンポポモドキ)
Hypochaeris radicata キク科タンポポ亜科
ヨーロッパ全域、北アフリカ、西アジア原産
牧草などに紛れて全世界的に帰化しています。
近年、日本の都市部でも
ナガミヒナゲシなどと共に爆発的に分布を広げています。
一見タンポポに似ていますが、花茎が途中で枝分かれするのが特徴です。
027.
ブタナ (タンポポモドキ)
フラワーアレンジメントに使われているのを見たことがあります。
それなりに綺麗な花なので栽培したい人もいると思いますが、
あまり感心できません。
028.
コバンソウ
Briza maxima イネ科
地中海沿岸原産
029.
ヒメコバンソウ
Briza minor イネ科
地中海沿岸原産
030.
オオツルボ (シラー・ペルビアナ)
Scilla peruviana ヒヤシンス科(ユリ科ツルボ亜科)ツルボ属
地中海沿岸西部原産
これは畑の隅に植えられていたものです。
ペルウィアナとは「ペルー産の」という意味です。
全生物を目録化する方法として学名を生み出したスウェーデン人のリンネは、
1753年、この植物がスペイン国籍の船ペルー号で運ばれてきたことからペルー産であると勘違いしてこのように命名したのだそうです。
学名の登録は厳格なもので、一度登録されてしまうと学術的な理由が無い限り訂正できません。
分類別>
ラン科分類別>
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撮影はすべて
D70s
TAMRON SP AF 90mm F/2.8 Di
投稿 2008/05/08
更新 2009/06/03 サムネサイズ
2010/08/25 サムネサイズ
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